みちくさの技法

大人として身につけるべき「みちくさ」「かいぐい」「うたたね」のうちの「みちくさ」について、私の小さな事例をご紹介して参ります。

憧れた、あの地名を訪れた話

憧れの地、というものがあります。ぜひ一度行って、この目で見て来たいと思う場所。

私にもそうした場所がいくつかあります。

今年のGWもお休みをいただけそうでしたので、以前から気になっていた、その中でもとびきりの、あそこに行ってみることにしたのです。

広島県の。

「人殺し」に。

 

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最初に知ったのは、2010年頃だったと思います。きっかけは覚えていないのですが、こちらのブログを拝見いたしました。

forumdoi.exblog.jpその衝撃たるや……。それまでも変な地名にはもちろん興味があって、調べたり、実際に出向いたりしていたのですが、こちらについてはまったく知りませんでした。

広島県には年に一度くらい何らかの理由で出かけることがあります。しかし、ここは神石高原町の奥の奥。ちょっと抜け出して、ホイっと行くというわけにはいきそうにありません。

なので今回は計画的に。道も細そうなので、あまり遅い時間にならないように。慎重に。

実際のルートに関しては、こちらのブログ記事を超参考にさせていただきました。

物騒な地名、紹介してみたり ( 事件 ) - ktgwkujのブログ - Yahoo!ブログ

 

道の駅「遊YOUさろん東城」を出て、国道182号線を南下します。次の道の駅「さんわ182ステーション」が近づいてきた頃に、道を逸れます。「時安」という地名と光福寺というお寺が目印になるかなと思います。途中までは広めの道ができていますが、終盤はだいぶ細い道でした。

東に進み、やがて林道への分岐点が見えてくると、そこに、看板が立っていました。

これこそが。あの。憧れの。

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はっきりと、地名が書かれているもの、感じられるものは、この看板だけです。各種地図にも出てくるような大きな地名ではありません。

周囲には誰もいませんし、人家も少し離れています。林道を示す看板と、驚くべきことに、バス停が立っています。

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もしかしてこのバス停の名前は……と期待は盛り上がるのですが、残念ながらバス停に名称を示すものは何も書かれていません。Webサイトで調べたところ、名称も「三木線入口」という名前のよう(……せっかくなんだし、町おこしに思い切って……とか思ってしまうのは部外者の戯言ですね……)。

看板に書かれた文言からすると、かつては……、という場所なのですが、今となっては谷を吹き抜ける薫風が心地よく、鳥の鳴き声と木々がさざめく音が聞こえるだけです。私の車のエンジン音が不躾に感じられたので、エンジンを切りました。

写真を何枚か撮ってしまえば、もうすることがありません。何年も憧れた場所に来たのに。でも、それでいいんです。ここに立てたことが嬉しいんです。

 

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同じルートを戻らずに、南に抜ける道を進んだのですが、道はさらに狭く、かなり厳しいものでした。同じ道を帰るのがよいかもしれません。